hachiniyon tukiakarinorondo
Jane Vejjajiva 著者のジェーン・ベヤジバ氏はタイ語のハリーポッター訳者でもある人気作家。2006年に東南アジア文学賞を受賞小説の舞台は、バンコクのどこにでもありそうな狭い路地。この通りに住む人々は、私たち誰もがそうであるように、みな悲しい過去や少しの希望、様々な事情を抱えながらも、それぞれの人生を懸命に生きている。主な登場人物は七人と一匹の犬。謎に包まれた高齢のカップルは他の人々には目もくれず、二人きりの世界に生き、また、がんこな男性は酒浸りで孤独だ。結婚を夢見るモデルの女の子は仏教を学んだ気のいい青年と恋におち、マッサージの仕事をしている彼女の母親は、奇妙でキュートな外人男性から想いを寄せられている。そして年取った大きなおかまは心に傷を負いながらも新しい恋人との恋愛に夢中だ。この物語では、犬でさえも自分自身の役割をきちんとまっすぐに受け止めながら、懸命に生きている。そして物語が進むうち、通りの人々の人生が、時を超え、少しずつ交差する。瑞々しい文体と全体に漂う力強さ、そして読む手が止まらなくなる見事なストーリー展開。繊細ながらも楽しくせつなく人生の本質を描いた「824」は、私たちの心を激し
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219 Pages